ワインに適したブドウとテロワール
ブドウは紀元前何千年もの昔から栽培されてきました。
寒冷地の、やせた土壌でも育つことが広く栽培された理由の一つだったと思われます。
ワイン用ブドウの栽培適性地を表す言葉に、” ワイン ベルト ” と呼ばれるエリアがあります。
年間の平均気温が10~20℃くらいで、北緯30~50度、南緯20~40度くらいのベルト状の地域をいいます。
同じ地域でも、低い土地よりも高いところにある方が冷涼なので、よいブドウが育つといわれています。
ただ最近、温暖化の影響で全般的に平均気温が上がってきて、より高度や緯度の高い地域のほうに栽培適性地が移りつつあるという話を耳にしたことがあります。
テロワールに影響する要素
気温 / ブドウの育成や熟成の期間にかかわり、酸味やフルーティーさなどに影響します。
また、日理と夜の寒暖差がある方がよいといわれています。
日照 / 日照量がブドウの開花時期などの育成、熟成を左右し、糖分、色素、ミネラルなどの量に影響します。
土壌 / ブドウ栽培には、水はけのいい痩せてた土地が適しているといわれます。やせた土地だと、ブドウの木は地中深くに根を伸ばし、ミネラル分をたっぷり吸収します。品種によって、適した土壌は異なります。
水分の多い肥沃な土地では、根は横へ広がり、木の成長が進み、実のほうに栄養が行き渡らなくなります。
地勢 / 気象条件が同じ地域でも、土地の傾斜とその向き、標高、河川や海の近くかどうかなどによっても違ってきます。標高が高くなれば気温は低くなり、傾斜は日照量に影響し、傾斜が河川などに面していれば、日照量が変わります。

また、海の近くで育ったブドウから造られるワインは、塩分を感じさせるものが多いといわれています。

ロマネ コンティを生んだ ” 黄金の斜面(コート ドール)”
フランスにあるブルゴーニュワイン生産の中心地。石灰性泥灰土の地層に、ブドウ畑が50㎞にも細長く広がる丘陵地帯。
起伏に富む地形で、気候、日照量、土質などが畑ごとに異なり、それぞれの自然条件を活かしたブドウ栽培がおこなわれ、テロワールの違いによって、同じ品種のブドウから、個性豊かで、多様性に富んだワインが造られています。

地域による風味の違い
産地によって、同じ品種であってもできるブドウの味は違ってきます。
よくいわれるのは、ヨーロッパワインとアメリカワインの違いです。
フランスのブドウの苗を輸入して栽培したところ、違った風味のワインになりました。
また、同じ地域でも、標高差や日照条件によっても温度差は出ますは、海流などの影響で温暖さは出ますが、
一般的に極地に近い方、標高の高いとちは涼冷で、赤道に近い方は温暖といえます。
一般的に、冷涼な地方でできるワインは、酸味が強く、キレのいいワインになり、
温暖な土地でできるワインは、まろやかでフルーティーさが増します。



