スペインワインの特徴
スペインが世界屈指のワイン大国になったのは、19世紀後半、ブドウに壊滅的な被害を与え、ヨーロッパの酒(アルコール)事情に大きな影響を与えた、フィロキセラという害虫による被害から、フランスボルドーのワイン生産者たちがスペインのリハオ地区に移住してきたことにあります。
ボルドーの移住者たちによってもたらされた技術や道具でワイン造りは大きく進歩し、
また、栽培されているブドウの品種にはスペイン固有のものが多く、地元の固有品種にこだわった良品質のワインが多く造られています。
スペインのワイン法は、EU法に則り、
保護原産地呼称ワイン ” DOP ” と、
保護地理的表示ワイン ” IGP ” に分けられます。
” DOP ” は、上から、
” VP ”(ピノ デ パゴ)は、単一のブドウ畑から造られる高級ワインで、 ” DO ” 以外の地域でも認定を受けることができます。
” DOCa(特撰原産地呼称ワイン)” は、 ” DO” 産ワインの中から厳しい基準をクリアしたもの。
” DO(原産地呼称ワイン)” は、基準を満たした高級ワインの総称です。
” VC(地域名称付き高級ワイン)” 、
にカテゴライズされています。
地理的表示のないテーブルワインは ” VdM ” に区分されます。
ワインの地域別特色
リオハ
スペイン北部、フランスとの国境ピレネー山脈の麓にあり、標高が高く、日照量、雨ともに多く、ワイン栽培に適した気候で、上質なワインが多いことで知られています。
ボルドーの移住者たちが多かったことから、”第2のボルドー”とも呼ばれていますが、ボルドーとブルゴーニュワインを合わせた味わいともいわれています。
スペインで初めて ” DOCa(特撰原産地呼称ワイン)” が認定された土地でもあります。
リオハ ワインは樽でじっくり長期熟成させるのが伝統で、特に評価が高いワインには、” レゼルヴァ ”、” グラン レゼルヴァ ” と表記されています。
テンプラニーリョ
スペインを代表するブドウの品種で、スペイン語で「早熟」の意味だそうです。
そのため、ほかの品種より2週間ほど早く収穫ができ、高地でも育ちやすい品種で、リオハでは栽培面積の70%以上で栽培されているそうです。
高い香り、なめらかな渋み、豊かな酸味を持ったワインになります。
カタルーニャ
スペイン北東部の地中海に面し、バルセロナがあるカタルーニャは、ワイン造りの古い歴史を持ちます。
温暖な気候、ブドウ栽培に適した土壌に恵まれ、赤、白、ロゼ、スパークリングワインといろいろなタイプのワインが造られています。
スペインで2地域しかない ” DOCa(特撰原産地呼称ワイン)” に認定されているプリオトラー地区があり、
伝統的なブドウ品種のガルナチャ種、カリニェナ種などのほかに、メルロー種やカベルネ ソーヴィニヨン種などをブレンドした高品質な赤ワインが生み出されています。
また、スペインのスパークリングワインの代名詞になっているカヴァがあります。

カヴァ
スペインのスパークリング ワイン(エスプモーソ)といえば、カヴァが有名ですが、そのほとんどがカタルーニャのペネデス地区で造られています。
カヴァとは洞窟やセラーを意味する言葉だそうで、地元のブドウ品種を使い、シャンパーニュと同じ方式の瓶内2次発酵で造られています。
品質が高いのに、コストパフォーマンスに優れていて、世界中で飲まれています。

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