空気中にある乳酸菌、蔵元の蔵などに自然に住んでいる乳酸菌を取り込んで培養する方法で、「山おろし」の作業を行います。
「山おろし」とは「酛摺り」ともいわれますが、米麹、蒸米と水を擦り合わせ、米に麹を付けてタンクに移し、空気中にいる微生物が自然について、その繁殖を待つことをいいます。
櫂で米を粥状になるまですり潰す作業で、3~4時間ごとに行われる、手間のかかる重労働になります。
1911年に考案された方法で、「山おろし」の作業を省いて造られます。
酵母を加える前に、自然に生まれる乳酸菌が雑菌がいなくなる状態にしてくれるのを待ち、それから酵母を加えます。
「山おろし」を廃した造り方なので、山廃と呼ばれます。
山廃は手抜きのように思えますが、たくさんいる乳酸菌に中から目的とする乳酸菌だけ育てるための温度管理、酵母を増えやすくする環境管理など、細かな気遣いが大変で、蔵人の和がないと山廃造りはできないそうです。
酵母菌は糖が必要ですが、あまり糖度が高くなると生きられないので、糖度管理も必要です。
酵母菌にとっては生きにくい環境にもなるので、少しづつ菌を馴らしていかなければなりません。
こうして酵母菌はいわば鍛えられ、腰の強い酵母になります。
ここから、山廃はワイルドな風味になるといわれます。
日本酒造りでは、『和醸良酒』といわれるそうです。
蔵人たちがいがみ合ったり喧嘩をしていては、決していいお酒はできないということだそうです。
料理を作るコツは「愛情」というのに、どこか共通点があるようです。
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