日本の地ビール / 原料や醸造方法へのこだわりと特徴

「地ビール」と呼ばれるものには、地域性豊かなもの、特産品や地方色がよく表れるものなどが多くあります。
日本独自の物、日本にしかない酵母や原料、醸造方法などを使って、他との違いを鮮明にするなど、日本にしかない和テイストの地ビールが造られ、海外での人気も高く、海外でも数多くの賞を受賞しています。
また、副原料に特産のフルーツ、お茶やコーヒーなどを使うことで、様々なヴァリエーションが生まれ、特徴的で個性的な地ビールも多く造られています。
色も愉しめる地ビール
三釜方式で色と香りを楽しむ。

もろみの煮沸と加熱を行うドイツ伝統の「デコクション方式」は、釜が2つあればいいのですが、網走ビールの「三釜方式」は釜を3つ使い、副原料で様々な色や香りを加えています。
世界遺産の知床の新緑をグリーンで表現した”知床ドラフト”は、クチナシとベニバナの色素で造られています。
流氷を仕込み水に使用し、澄んだ青いビール”流氷ドラフト”は、クチナシで、
サクランボの最北端の産地網走、豊かなフルーティーなさわやかさが味わえる”桜桃の雫”は、さくらんぼとアントシアニンを原料に加えています。
いろいろな副原料で色と香りを愉しむ
使われる副原料は、フルーツ、スパイスなどですが、地方の特産を使うことも多く、地域性を香りと味で楽しめます。
また、一種類ではなく、外国では、ハーブ、フルーツ、スパイスなどをまぜたものも造られています。
さわやかで、さっぱりとした後味を楽しみたいときは、オレンジやレモンなどの柑橘系を使ったビール。
甘みがあって、飲みやすいタイプを好む人や、女性向きなのが、苺やピーチ、ブルーベリーなどが使われるビールがおすすめです。



新潟麦酒の「エールドブルーベリー」は、ブルーベリーを使っているので、ブルーベリーの青紫色がそのままビールになっています。
新潟麦酒の特徴は、「瓶内醗酵、瓶内熟成」させていることで、日本酒やワインでいえは、加熱処理していない生タイプです。

コエドブルワリーの「紅赤 Beniaka」は、赤みがかった琥珀色をした長期熟成プレミアムラガーです。
上質の麦芽と薩摩芋(武州小江戸川越産金時薩摩芋 紅赤/焼芋加工)から生まれた香ばしい甘味と豊かなコクが特徴。 欧州の食品コンテストでも高評価を得ています。

「あまおうノーブルスイート」はフルーツエールビールで、福岡県糸島産の高級苺「あまおう」を使用し、ほんのり甘く香り立つイチゴの香りが、麦芽のコクと絶妙のバランスで、飲みやすい地ビールです。

常陸野ネストビールの「レッドライスエール」は、古代米の「朝紫」を用いて仕込んだ淡い紅色で、苦味はひかえめなので、女性にもおすすめです。

徳島県の一部にしか生息していない柚香(ゆこう)というユズよりも薫り高い極めて珍しい柑橘を使ったビールです。

日本酒メーカーの黄桜が造るの宇治茶を使った「抹茶」お茶の優雅な香り漂う地ビールです。

澤井珈琲の「星降るビール」は、ビール好き、コーヒー好きのための地ビールです。コーヒーの王様、ブルーマウンテンの上品な香りを愉しめるビールです。
柑橘系の地ビール

ベアレン醸造所【季節の限定】カボスラードラー。まろやかな酸味の和柑橘。大分県産のかぼす果汁を使用したビールです。

湘南ゴールドは、神奈川県が12年をかけて育成したオリジナル柑橘です。
レモンのような黄色ですが、食べると甘いオレンジというギャップがあり、他の柑橘類を圧倒する華やかな香りが特徴です。

宮崎特産「日向夏」のフルーツラガー。 ほどよい酸味と爽やかな香りが人気の宮崎特産日向夏を副原料に使用。ホップとの相性がとても良く軽快な味合いです。

ウイスキーで有名な北海道の余市ですが、フルール、ワイン、ビールも特産品で、フルーツ王国といわれる余市の季節が十分に楽しめるセット。
日本で初めて!家で本格的なビールを!!
全国各地の様々なブルワリーのビールを、家庭用本格ビールサーバーで楽しめます。
1,900種類以上から厳選した、今一番楽しんで欲しい銘柄を、
毎回丁寧にセレクトしてお届けするクラフトビールの定期便。
元祖地ビール屋サンクトガーレン(クラフトビール)
大手ビールメーカーとは違うプレミアム感あるビール。 国際ビール審査会金賞受賞ビールをお届けします。

珍しい製法で造られるビール
いわゆる”幻のビール”と呼ばれるものもあり、製法や原料を現代の技術で復活させたビールや、
特殊な製法で造るビールです。
貴醸GOLD
大阪の老舗酒蔵が作るビールで、清酒酵母を使ったエールビールです。
仕込み水の一部に日本酒を使う貴醸酒と同じ製法で造られています。麦芽の甘みと、純米酒の芳醇さが一緒に楽しめるビールです。
貴醸GOLDは清酒酵母を使った貴醸エールです。加える純米酒にあらかじめホップを加え、加温してエキス抽出しています。飲んだ後もホップの余韻を楽しめるビール(発泡酒)になっています。
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スパークリングマンゴー
新潟麦酒(NIIGATA BEER / 新潟ビール)は、古式製法の本格ビールです。
日本で初めて「ビン内醗酵」、「ビン内熟成」によるビール製造方法で、 ビン1本1本が熟成タンクの役目を果たしています。
熱殺菌、ろ過、炭酸ガス圧入を行わず、清澄剤、安定剤、 保存料を一切使わない100%ナチュラルなビールで、
吟味した麦芽ホップだけを使用した個性的で味わい深い生ビールです。
幕末のビール復刻版 幸民麦酒
黒船で飲んだビールを再現した川本幸民のレシピをもとに、 当時のビールを忠実に再現するため、上面発酵法で醸造し、濾過をせず、 清酒酵母を併用しています。
清酒酵母の風味を残した、コクがあり味わい深いビールです。
蘭学者・川本幸民は、ペリーが黒船で来航した1853年、米艦上で振舞われたビールに感激し、わが国で初めてビールを造りました。その製法をもとに現代に甦らせました。
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ペリーが赤道を越えて日本に持込み 幕府にも献上したとされるビールの復刻版。ビーター感は、癖になるともいわれるほど、強烈。
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黄桜NILEビール
紀元前8000年ごろ以降、 古代エジプトで栽培されるようになった「古代小麦」を現代によみがえらせたのが「黄桜NILEビール」です。 麦芽とともに京都の名水・伏水で仕込んだ個性的なビールです。
幻の小麦を現代の技術でよみがえらせた古代エジプトビール。
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*このページの主な参考文献。
枻(えい)出版、「もっと知りたい! クラフトビール」
株式会社マイナビ、「ビールの図鑑」
宝島社、「ビールの教科書」