日本のクラフトビールについて

大手のビールメーカーにしか認められていなかったビール醸造が、1994年の酒税法改正により、規模が小さくても醸造できるようになりました。
そのため、日本各地でビールの醸造が行われるようになり、
「地酒」にあやかって、「地ビール」と銘打って、大ブームになりました。
「地ビール」はお土産ビールの域を出ないものも多くあり、
また、普段飲んでいる大手メーカーの造るピルスナータイプのビールに馴れていることもあって、だんだん人気は下火になってきました。
しかし、コツコツとビールを造り続けてきたブリュワリーが、おいしくて質の高いビールう造りだし、
地ビールから、職人が作るビールを想起させる「クラフトビール」と呼ばれるようになり、
そのうまさは世界的にも認められ、海外のコンテストで、数々の賞を取るようにまでなってきました。

クラフトビールの特徴

ビールは、おもに水、麦芽、酵母、ホップから造られています。
しかし、最近では、副原料を加え、それぞれの個性を際立たせているものも、多く造られるようになりました。
副原料には、酒税法で決められたもの以外で造ると、発泡酒に分類されてしまいますが、世界基準ではビールになります。
各ブルワリーで、ラガーやエール、それぞれ違ったタイプを造っているので、ビール党の人には、各ブルワリー、タイプなど、違いを飲み比べるのもビールの楽しみ方です。

副原料

使われるものは、フルーツ、スパイスなどですが、
地方の特産を使うことが多く、地域性を香りと味で楽しめます。
また、一種類ではなく、外国では、ハーブ、フルーツ、スパイスなどをまぜたものも造られています。
さわやかで、さっぱりとした後味を楽しみたいときは、オレンジやレモンなどの柑橘系を使ったビール。
甘みがあって、飲みやすいタイプを好む人や、女性向きなのが、苺やピーチ、ブルーベリーなどが使われるビールがおすすめです。
三釜方式で色と香りを楽しむ。
もろみの煮沸と加熱を行うドイツ伝統の「デコクション方式」は、釜が2つあればいいのですが、網走ビールの「三釜方式」は釜を3つ使い、副原料で様々な色や香りを加えています。
流氷を仕込み水に使用し、澄んだ青いビール”流氷ドラフト”はビールのイメージを超えて、話題をよびました。
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元祖地ビール屋サンクトガーレン(クラフトビール)
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タイプによる違い
ビールは2つのタイプに分かれます。
日本や世界で一番飲まれているラガービールは、酒屋さんの棚を見てもわかるように、大手メーカーがほとんど独占状態ですが、クラフトビールに関しては、特徴をだしやすいということで、各地にそれぞれの地域性や、自社のコンセプトを明確にしたビールが造られています。

色の違いによるタイプ
ペール エール
ペールとは、色が薄いという意味で、濃色ビールが中心だった18世紀のイギリスで造られ、 ペールとつけられました。 苦味やモルト感など、ミディアムボディのバランスの良いビールです。
IPA
インディア ペール エールの略。
インドがイギリスの植民地だったころ、インドに向けて船積みされたビールのことで、 腐敗防止にため、アルコール度数を高めにし、殺菌効果のあるホップを大量に使ったビールです。
苦味が強いが、香りとのバランスも良く、じっくり味わいたい人向きです。
IBU表示をされているものもありますが、IBU=ビールの苦味をあらわす指標で、数字が大きいほど苦味が強くなります。
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黒ビール
色は濃く、ロースト感のある深みがある味わいのビールです。作り方によって何種類かあ枻ますが、主なものを次の通りです。
スタウト / イギリスのポーターをベースに、アイルランドで造られたビールで、 スタウト(強い)ポーターと呼ばれていましたが、後にスタウトだけになりました。
麦芽化前の大麦をローストして使います。 深煎りコーヒーのような味わいになります。
ポーター / スタウトの元になっているビールです。 ロースト感はスタウトより浅く、モルトやホップの味わいが強く感じられます。
シュバルツ / シュバルツはドイツ語で「黒」をいいます。 有名なシュバルツ バルトの黒で、ゲーテも愛したビールです。
スタウト、ポーターは上面発酵ですが、ラガーと同じ下面発酵なので、すっきり感、のど越しもいいびーるです。
原料・副原料による違い
ヴァイツェン
ヴァイツェンは、ドイツ語で小麦のことです。小麦麦芽を50%以上使用して造られるビールをいいます。
小麦麦芽はタンパク質が豊富なので、泡は豊かに、薫りも高く、 苦味が少なくて、フルーティーでなめらかな味わいがあります。
バーレイワイン
英語で大麦のことをバーレイといいます。ぶどうではなく、大麦で造ったワインの意味です。
イギリスではブドウは育たない地域なので、アルコール度数を高めにしてワインの代わりに飲んでいました。
また、ワインのように、長期熟成させたものが多いのも特徴です。
酵母・ホップによる違い
酵母
ビール酵母には、大きく分けて3つのタイプがあります。
- ・上面発酵酵母(エール) / コクと香りのあるビールを造るときに使います。
- ・下面発酵酵母(ラガー) / すっきりとのど越しの良いビールを造るときに使います。
- ・野生酵母 / 自然存在する酵母で、ホップ畑にいる酵母や地方特産の花やフルーツから取った酵母を使います。
一般的には、培養した酵母を使いますが、ベルギーなどの欧州産の酵母を使うところもあります。
野生酵母は、醸造所内に浮遊している酵母で発行するので、造る処によって、風味、香味が違ってきます。
また、日本酒を醸造している酒蔵が、清酒酵母で造った、ジャパニーズテイストのビールもあります。

お酒の仕込みにも使われている名水「伏水」と清酒酵母を使用。清酒メーカーならではのオリジナルビール。吟醸酒の香りがほのかに感じられる、黄金色をしたまろやかなビールです。
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ホップ

ポップのは大きく3つのタイプに分けられます。
香りが強く華やかな
アロマポップ。
アロマポップより穏やかな香りで、苦味も強くない
ファインアロマポップ。
香りよりも苦味の好きな人向けの
ビターポップ。
使うポップによって、異なる風味のビールになります。
生産地によっても違いますが、チェコやドイツ産が有名で、アメリカでは苦味の強いポップも作られています。
日本では東北、北海道など、寒い地域で多く栽培されていますが、地域おこしのために、地産型ポップを栽培している地域もいくつかあります。

ピルスナーはアロマポップの香りのバランスのいいビールです。
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ファインアロマの豊かな香り溢れたピルスナービルです。
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自家の農場で、無農薬のホップを栽培しているこだわりのブリュワリーです。
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*このページの主な参考文献。
枻(えい)出版、「もっと知りたい! クラフトビール」
株式会社マイナビ、「ビールの図鑑」
宝島社、「ビールの教科書」