アイリッシュ ウィスキーについて
ウィスキー誕生の地ともいわれていたアイルランドのウィスキーは、2か国で造られています。
アイルランドと、イギリス連合王国の「北アイルランド」です。
ウィスキーの製造は アイルランドが先という説が有力らしいですが、スコットランドとどちらが先かは、定かではないそうです。
アイルランドからは、多くの人がアメリカ移民となっていたこともあって、ウィスキーを大量に輸出していて、かつては数百の蒸留所があったそうです。
しかし、2つの世界大戦、アイルランド独立戦争、そして何よりもアメリカの禁酒法によって、
アイルランドの酒造業者は壊滅的な打撃を受け、ほとんどが閉鎖へと追い込まれました。
アイリッシュ ウィスキーの特養
アイリッシュ ウィスキーは、伝統的に、ポットスチル ウィスキー、モルト ウィスキーの2つの製法で造られてきましたが、本来のアイリッシュ ウィスキーは、ポットスチル ウィスキーで、大麦麦芽のほかに、未発芽の大麦、小麦、オーツ麦、ライ麦などを混ぜたものを原料にしています。
スモーキー フレーバーのピートもとになるピート(泥炭)は使わないので、すっきりした飲みやすさで、武田鉄矢氏も、何かの番組でアイリッシュ ウィスキーを愛飲しているといってました。
スコッチ ウィスキーとの違いは、
- ●アイルランド共和国、北アイルランドの穀物を原料とします。
- ●原料には、大麦だけでなく、ほかの穀物も使います。
- ●麦芽にピート香(スモーキー フレーバー)がありません。大麦麦芽の乾燥に、ピート香の原因になるピートを使わないからです。
- ●麦芽の天然酵素で糖化させたものを、酵母で発酵させます。
- ●ポットスチル(単式蒸留器)で3回蒸留します。
- ●アルコール度数94.8以下で蒸留します。
- ●木製樽で3年以上熟成させます。
- ● ” whiskey ” のつづり、kの後に ” e ” が入ります。
ですが、現在では、ピート臭のあるモルトを使ったり、いろいろな穀物を混ぜたグレーン モルトや、それらをブレンドしたりそのまま製品にしたりと、製法が多様化していて、違いはあまり明確になってはいないそうです。
伝統の3回蒸留
アイルランドでは、かつてスコットランドとは違う課税がかけられていて、大麦麦芽以外の安い穀物を原料に使うようになりました。
原料としたカラス麦やライ麦などの穀物は、アイリッシュ ウィスキーの特徴となる穀物に由来するオイリーな香りが強く出すぎるので、その香りを弱めるためにアルコール度数を上げるための3回蒸留が行われたと考えられました。
これにより、ピート臭のない、軽やかで風味豊かな飲みやすいウィスキーになっています。
ピュア ポットスチル ウィスキー
本来の伝統的アイリッシュ ウィスキーをピュア ポットスチル ウィスキーと呼んで、スコッチのブレンディドウィスキーとの違いを出しています。
100%ポットスチルで造るので、ピュアとつけて、アイリッシュ ウィスキーの誇りを表しているかのようです。
アイリッシュ ポットスチル ウィスキーの特徴の一つに、
生産性を上げるために使った、スコッチウィスキーのポットスチルと比べるとはるかに大きなポットスチルがあります。
現在は博物館として公開されている旧ミドルトン蒸留所の庭に、巨大なポットスチルが展示されています。
アイリッシュ伝統のピュアポットスチルウイスキーとモルトウイスキーをヴァッティングして、ノンチルフィルターでボトリングした珍しい製法のウイスキーです。
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3回の蒸留をおこなったなめらかさと、チャーリングを2度行った黒焦げの樽、"ブラック・バレル"による熟成で生まれる芳醇で複雑な味わいです。風味豊かなピュアポットスチルウイスキーと、年に一度しか蒸留されないスモールバッチ(少量生産)のグレーンウイスキーを使用し、バーボン樽とシェリー樽
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アイリッシュ ウィスキーの蒸留所
アイルランドには、最盛期にはスコットランドより多い2000近い蒸留所があったといわれていますが、
現在では3つに統廃合されています。
最近では、1999年に、ウォルシュ・ウイスキー蒸留所が設立され、ほかにもウェストコーク蒸留所など新しい蒸留所が造られています。
新ミドルトン蒸留所
もともとは1825年に創業したが、その後残っていた蒸留所と統廃合を重ね、1975年開業しました。
この時、連続式蒸留機も導入し、伝統的アイリッシュ ウィスキーとともにブレンディド ウィスキーの生産も始めました。
「繊細で滑らかで快いモルティネスがある」と専門家の間でも高く評価されています。 原料大麦の穏やかな風味がいきているユニークなウイスキーです。
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ブッシュミルズ蒸留所
1608年に国王から蒸留免許を得ていましたが、実際に建設されたのは1784年です。
新ミドルトン蒸留所が統廃合した時、ブッシュミルズ蒸留所だけは残りました。
アイリッシュには珍しい、モルト ウィスキーの蒸留所です。
クーリー蒸留所
1987年に創業された蒸留所で、2基のポットスチルと、連続式蒸留機を備えた複合蒸留所です。
それまでにはなかったシングル グレーンウィスキーやスコッチ ウィスキーのようにピートを使い、2回蒸留するウィスキーを売り出すなど、スコッチ ウィスキーとの違いがあまりなくなりました。
ウォルシュ・ウイスキー蒸留所
ウォルシュ・ウイスキー蒸留所は、バーナードとローズマリーのウォルシュ夫妻によって設立されました。
夫妻は、19世紀の伝統的なアイリッシュウイスキーの製法を再現しつつも、革新的で現代の味覚にあった新たな表現を兼ね備えたウイスキーを造り出しています。
著名な文豪の多くは執筆の合間にアイリッシュウイスキーを楽しみ、
文豪の涙はウイスキーで出来ているとまで言われたそうです。
その事から作家の涙(ライターズティアーズ)と名付けられました。
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