ジン / 世界で愛されるスピリッツ
ウオッカ、テキーラ、ラム、そしてジンは世界4大スピリッツと呼ばれています。
オランダ生まれでイギリス育ち、アメリカに渡ってカクテルのベースに使われ、世界的人気を博すという、ハリウッドスターになった俳優さんみたいな経歴をたどりました。
ジンは、穀物を原料として発酵させた蒸留酒で、ボタニカル(植物)由来の香味成分を加えたスピリッツです。
アルコール飲料としては珍しく、造った人物や年代がはっきりと分かっています。
1660年、オランダのライデン大学医学部のフランシスク シルヴィウス教授が、植民地覇権を争うオランダ人のために、
マラリアなどの熱病の特効薬として、利尿、解熱作用のある「ジュニパー ベリー/
杜松の実」から開発したものです。
したがって、始めは薬として薬局で売られたそうです。
シルヴィウス教授は、この薬用酒をジュニパー ベリーのフランス語の「ジュニエーブル」と名付けましたが、オランダでは「ジュネヴァ」と呼ばれ、イギルスに渡った後はグッと縮められて「ジン」と呼ばれるようになったといいます。
「ジュネヴァ」、ドーバーを渡る
オランダ生まれのジュネヴァがイギリスでジンとなって広く飲まれるようになったのは、
1689年、オランダ国王がイギリス王室に迎えられられてイギリス国王ウィリアム三世(オレンジ公ウィリアム)になったからです。
ウィリアム三世は故国のジュネヴァを愛飲していたので、イギリスに持ち込み、税金を安くするなどの奨励策と取ったので、イギリス全土に広まったそうです。
やがて1830年ごろになると連続式蒸留機が発明され、純度の高いさわやかな香りのジンが造られるようになりました。
ドライ ジン(ロンドン ドライ ジン)
ジュネヴァとは異なる辛口のジンを指す言葉で、かつてロンドン、およびその周辺で造られていた辛口のジンとジュネヴァを区別するために、ロンドン ジン、またはロンドン ドライ ジン呼ばれていたそうです。
75%のトウモロコシと大麦モルト、ライムギなどを原料に連続式蒸留機でグレーンス ピリッツを造り、ジュニパー ベリーとほかの香草と一緒に、単式蒸留器で再蒸留して造ります。
ライトでキレがあるので、やがてほかの国でも広く造られるようになりました。
世界で飲まれているジンのほとんどが、ロンドン ドライ ジンかジュネヴァ ジンのどちらかといわれています。
現在では、ジンといえば多くの場合、ドライ ジンのことをいいます。
カクテル ベースとして使われることが多く、ソフト ドリンクなどで割って飲むのがおすすめです。
ジンの種類と特徴
ジュネヴァ(geneva) ジン(gin)
オランダ産のジンをジュネヴァと呼ぶのは英語圏と日本などで、オランダではイエネーフェル(genever,またはjenever)と呼ばれて、 今でも国民的に飲まれているそうです。
大麦モルト、トウモロコシ、ライムギ単式蒸留器で2~3回蒸留し、ジュニパー ベリー、キャラウェイ、コリアンダーなどの香料植物と一緒にもう一度蒸留して造ります。
麦芽を多く使い、香りが強いので、ストレートやロックでお酒そのものを楽しむのに適しています。
シュタインヘーガー(steinhager)
「ドイツのジン」とも言われますが、造り方はほかのジンとは異なります。
16世紀ごろから、ドイツのヴェストファリア州にあるシュタインハーゲン村で造られていたのが起源だそうです。
ジュニパー ベリーの糖分を利用して発酵させ、主にコーンを原料とするニュートラル スピリッツをブレンドして単式蒸留器で造ります。
ジュニパー ベリー以外の植物類は、原則として使っていないそうです。
ロンドン ドライ ジンとジュネヴァ ジンの中間的風味で、そのままでも割っても、どちらも楽しめます。
そのほかのジン
フレーバード ジンと呼ばれるものがあります。
オレンジやレモン、チェリーなどのフルーツのほかに、ショウガで香味を付けたものもあるそうです。
オレンジ ジンのように、原料名を頭につけて呼ばれるそうです。
ボンベイ ジンについて
カクテルのベースとして飲まれることが多いのですが、
ドライ ジンのジュニパーベリーの香りと、ビターな味を愛し、ストレートやロックを好む人も多くいます。
しかし、そのややワイルドな風味ゆえに敬遠する人も多いようです。
そういう人におすすめなのが、ボンベイ ジンです。
口当たりの柔らかさ、ジンとは思えない香り。
上質なグレーンスピリッツと、厳選された10種類のボタニカルを原料に、1761年以来同じレシピで造られています。
普通のジンはアルコールとボタニカル成分を混ぜ合わせて蒸溜するのとは違い、
選ばれたスコットランドのグレーンスピリッツの蒸気を通過させることで香り着けするという、ヴェーパー・インフュージョン製法(vapor infusion)で行なうことで、独特の薫り高いジンができ上がります。
ストレートや水割り、ソーダ割りはもちろん、カクテルベースとしても広く使われています。
古谷三敏氏の『レモンハート』で、「サファイア色の出会いと別れ」というタイトルで紹介されています。
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